貞寿寺・教津坊
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写真は美しい庭園がある貞寿寺
賓池山 貞寿寺 ていじゅじ
今市場町2−18 浄土宗西山派 駐車場あり
 <貞寿寺>
 今市場通りに面して貞寿寺があり、サツキや草花で両側が彩られた参道が続いています。そして、境内や参道にはユリやキクなどの四季の花々が咲いています。境内は小さな池のある美しい庭園となっています。本堂は赤茶色のトタン屋根で尼寺らしい艶やかな曲線のふくらみがあります。同様に境内にある燈篭にも女性的な曲線美があります。この配置は江戸時代末期に描かれた『尾張名所図会』と変わっていません。
 当寺はもと百体仏の阿弥陀堂でしたが、元文3年(1738年)津島村の伴伊平が時の高僧関通上人に帰依して、この地に尼僧道場を設けて多くの尼を養成しました。以来、昭和時代初期まで尾張でも著名な尼禅寺でした。そして、現在に至るまで、当寺は津島寺院の中で最も風雅な趣きがあり、文人墨客が多く来訪しています。御本尊は阿弥陀如来です。
 当寺には江戸時代初期の僧・円空作の木造菩薩坐像が伝わっており、市文化財に指定されています。

<教津坊>
 今市場通りに貞寿寺と向かい合って教津坊(藤浪山教津坊 きょうしんぼう 今市場町2−54 浄土真宗高田派)があります。境内隅に太子堂や丸い頭の灯篭、あるいは、クロガネモチ、イチョウ、エノキなどの大木があり、歴史の古さを物語っています。また、本堂北の境内隅には親鸞上人が当寺に立ち寄った時、お手植えしたと伝わる「菩提樹」が植えられています。
 津島市内唯一の浄土真宗高田派の寺院で、御本尊は阿弥陀如来です。寺伝によると当初は天台宗でしたが、嘉禎元年(1235年)に親鸞上人がこの草庵に逗留(とうりゅう)した時、道顕が改宗し、高田慶信坊と称したと伝えられています。また、親鸞上人の旧跡と言われ「御沓脱道場」と呼ばれています。


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